主要欧米助成財団の最新動向

先ほど紹介した笹川平和財団委託調査「国際グラント・メイキングの課題と展望:グローバル・フィランソロピーの時代における助成財団の新たな役割」に関連し、2013年3月に、欧米で主に国際交流・協力分野で活動している主要財団の動向調査を行いました。対象は、米国の主要16財団に日本・アジアに焦点をあてた4財団を加えた計20財団と、欧州の主要15財団です。 続きを読む

グローバル・フィランソロピーの時代における助成財団の新たな役割

1.欧米を中心としたフィランソロピー・セクターの発展

1990年代以降、欧米先進諸国を中心に、国際社会におけるフィランソロピーの状況は大きく変化しました。90年代以降、欧米においては助成財団セクターが大きく発展しました。また、助成財団のグラント・メイキング手法も戦略化が進み、様々な支援手法が発展してきました。 続きを読む

グローバル・フィランソロピーのための人材育成:Global Grantmaking Instituteの試み

21世紀のフィランソロピーの動向の一つは、グローバル化に向けた取り組みが急速に進展したことです。米国財団評議会(Council on Foundations)と欧州財団センター(European Foundation Center)が中心となって立ち上げたGlobal Philanthropy Programが、その代表例ですが、これ以外にも、クリントン元大統領のClinton Global Iniativeや、北カリフォルニア国際問題評議会のGlobal Philanthropy Forum、Synergos財団のGlobal Philanthropists Circleなど、様々な団体が、グローバル・フィランソロピーのネットワーク形成に取り組んでいます。ビル・ゲーツが進めているThe Giving Pledgeも、この中に含めて良いでしょう。 続きを読む

ホワイトハウスの「フィランソロピーにおけるイノベーション」フォーラム

米国フィランソロピー業界では、今、9月20日にホワイトハウスで開催された「フィランソロピーにおけるイノベーション」フォーラムがちょっとした話題になっています。米国を代表するフィランソロピスト、財団、NPOの代表者150名が参加した1日のフォーラムなのですが、ホワイトハウスは、マスコミの取材を禁じた上に、会議開催後も概要等に関するプレス・リリースを全く出していないからです。その内容は、ヴェールに包まれており、フィランソロピー関係者は、様々な憶測を出しています。フォーラムで、どのような議論がなされたのでしょうか、また、オバマ政権は、このフォーラムを通じて、どのような形で、今後、フィランソロピーを方向づけようとしているのでしょうか。クロニクル・オブ・フィランソロピー誌の記事などを手がかりに概観してみることにしましょう。 続きを読む

偉大なるフィランソロピスト:ジョージ・ソロス

フェイスブックの方に、ジョージ・ソロスが最近発表した「ドイツは指導的立場に立つか、さもなければユーロ圏を離脱せよ」という論考を紹介したのですが、よく考えると、彼の基本的な考えは、フィランソロピーのフロンティアのコンセプトととてもつながる部分があると言うことに気づいたので、ブログでもう少し展開したいと思います。 続きを読む

シンガポールのフィランソロピー促進戦略と社会的投資証券取引所設立の動き

米国を超えて

前回のブログで、サラモン教授のNew Frontier of Philanthropyプロジェクトの概要を紹介しましたが、その中の「次のステップ」の一つとして、「米国を超えて」というものがありました。サラモン教授のプロジェクトは、英米で発展した新たな試みをいかに国境を越えてグローバルに共有していくかも視野に入れています。 続きを読む

米国フィランソロピーの流行語2011

このブログは、米国を中心とした海外のフィランソロピーの動向をお伝えすることを主眼としています。と言っても、米国と日本では、フィランソロピーも、それを取り巻く社会状況も大きく異なります。だから、米国のフィランソロピー事情を紹介すると言っても、それほど簡単なものではありません。 続きを読む