「フィランソロピーのフロンティア」へようこそ。
このブログは、社会的投資を中心に、海外のフィランソロピーの最新事情を紹介することを目的としています。フィランソロピーという言葉は、日本ではまだ十分に定着したとは言えません。また、フィランソロピーという言葉は、基本的に、個人、財団、企業の助成事業や慈善事業に限定されています。しかし、米国を中心とした海外では、フィランソロピーは、よりダイナミックで、多様に展開しています。
例えば、財団を例に取ってみた場合、通常の助成事業だけではなく、プログラム関連投資(Program-related Investment)、ミッション志向型投資(Mission-related Investment)などの、新たな支援方法が模索されています。これに伴い、支援の対象団体も、従来のNPO/NGOから、社会企業、コミュニティ・ファンド、NPOファンド、あるいはフォース・セクター(第4セクター)と呼ばれる新たな法人格をもった団体を含めるようになってきました。また、支援の方法も、従来のグラント・メイキングをより効率的・効果的に展開していこうという戦略的フィランソロピー(Strategic Philanthropy)や、異なるセクター間の協働をコーディネートすることを通じて社会的インパクトの達成を目指す触媒型フィランソロピー(Catalytic Philanthropy)などが提唱されています。資金調達についても、自らの基金のみに依存するのではなく、信託基金やドナー・アドバイズド・ファンド(Donor Advised Fund)と呼ばれる基金を使い、広範な支援者からの資金を自らのミッションに基づいて募る手法が開発されています。最後に、国境を越えた財団間の連携を目指した様々なネットワーク化の試みもなされています。
グローバル化が進展し、行きすぎた開発と市場経済化の弊害が、様々な社会問題として噴出している現代においては、問題解決のために、政府、営利企業、非営利機関による、セクターを超えた協働が求められています。フィランソロピーもまた、このような流れの中で進化・発展していく必要があります。日本もまた例外ではありません。日本のフィランソロピーの更なる発展に少しでも貢献するために、出来る限り多様な事例をこのブログで紹介していきたいと思っています。もちろん、伝統的フィランソロピーについても触れますし、また、フィランソロピーを超えた社会的インパクト投資についても積極的に取り上げていきたいと考えています。
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